hasu no tokimeki 2 months ago [hidden] Fanfiction available: Together with the AnyoSeal (twitter #1907629676220080266, twitter #1907630198243340760)Full textPage 1 (asset #25574543):アタシたち蓮ノ小三角を生き物で例えるなら。小鈴ちゃんはやっぱり恐竜。吟子ちゃんはどうぶつ喫茶の実績も込みできつね。アタシは……一年間通してこれといったものがなかったかに見えたけど。るりちゃんせんぱいのおかげで、素敵な生き物が出来ました。***蓮華祭と共に一〇四期も終わって、次の学年に上がるまで、ほんの少しおやすみ。アタシはオンラインゲームでも、他のプレイヤーとの別れと出会いをかみしめるように、昼夜問わずランクマ三昧。そうすると、日中は眠たくなって、お部屋のベッドでゴロゴロしがちになるんだよね~。で、アタシの隣にいる小鈴ちゃんはというと、ゲームの協力プレイをしてくれたり、合間に生き物の動画を見るのが好きみたい。そんな幸せな春休みに小鈴ちゃんが、とある動物に釘付けになっていた。Page 2 (asset #25574545):「おー、すっごくゆれゆれ!」「ん~?」チャレンジをしたくなるような声を上げたもんだから一緒に眺めてみると、白黒のゴマ模様をしたアザラシのおなかが、スローモーションで揺れていた。動画がゆっくりになるとおなかを叩く音が低くなって、なんともリアルになっている分、すっごくかわいい。って、油断するとアタシもこんな揺れをするおなかになるかもしれないから、気を付けなくちゃ。糸目になったアタシを見て、小鈴ちゃんが励ましてくれる。「徒町と一緒に特訓したら引き締まったおなかになるよ!」うわお、心の中を読まれた。でもせっかくのお休みで体を鍛えるのもな~。ということで、照れ隠しみたいに、おことわり。「二年生になったら本気出すから、今はあにょざらしになる~」「もー、姫芽ちゃんってば」Page 3 (asset #25574544):るりちゃんせんぱいが配信の時に描いてくれたアタシ風のアザラシみたいに、毛布をくるくるさせて、ベッドの上で寝転んだ。すると小鈴ちゃんはスマホをテーブルに置いて、アタシを手招き。「おいでー、あにょざらし」「ざらし~」対応言語を変えたアタシをアザラシに見立てて、目の前に自分のラムネを差し出してくれる。摩擦と仲良くなれないからすい~っと行けないのが残念だけど、ずりずりしながら、小鈴ちゃんからのお菓子をぱくり。「よくできました!」「えへへ~」差し出された小鈴ちゃんの手にも、握手。顔も口の仕草もゆるゆるにしてみると、小鈴ちゃんが喜んでアタシと遊んでくれる。「えっとね、徒町の胸の上に……乗ってみる?」あにょざらし、小鈴飼育員のチャレンジならいくらでも。面積がせまくても、少し荷重を加減させて、小鈴ちゃんへころりん。Page 4 (asset #25574546):「かわいいね、あにょざらし」「むふ~」小鈴ちゃんを笑顔に出来るなら、今日一日はあにょざらしのままでいいかな。と、小鈴ちゃんがお手本らしいのを見せながら、「ぎゅーってしてみて!」アタシにおねだり。ぎゅ~、という言い方なんだけど、別に抱き締めるわけじゃなくて。なんて言えばいいんだろ、カメさんだったら首をひっこめる、みたいな。うーむ、人間にはなかなかむずかしいぞ。「ぎゅ~」「あははっ、姫芽ちゃんそっちの方がすごいっ!」そこで、手とほっぺたで、アタシなりに顔をぎゅ~してみると、小鈴ちゃんは大喜び。さすがにこの時の顔は小鈴ちゃんにしか見せられない。他の人が見ていたら、にらめっこしているんじゃないかっていうくらいに、変顔になっちゃっていた。Page 5 (asset #25574547):ごめんねとあやまりながら、小鈴ちゃんは種明かしとして、さっきのアザラシの別の動画を見せてくれる。「かわいい~」「ね、かわいいよね!」確かにこれは、アザラシにしかできないぎゅ~。首を伸び縮みさせて、見た目アタシのドストライクの、変な生き物になっていた。動画の続きを見ると、今度はアタシにも出来そうなチャレンジが。「お、これはこずえせんぱいとの筋トレで見たやつだ」「ほんと、出来そう!?」今度はふたりで、アザラシのまね。うつぶせで並んで上体を起こしてポージング。「あにょざらしとかちまちざらし~」「さやか先輩の特訓並みに、体に効く……!」おやおや、徒町氏もライブが終わってから体がなまってますな~。このままおなかを引き締める筋トレもいいけれど。「そんな小鈴ちゃんにはゴロゴロアタックだ~!」Page 6 (asset #25574549):「徒町もおかえしするよー!」横にせまいベッドをきしませながら、横転の応酬。そのうち、小鈴ちゃんがアタシの手を導いて、小さな胸の上に乗せる。つかみのポーズかな~って思ったんだけど、アタシでも分かるくらい、ドキドキしていて。アタシが起き上がると、小鈴ちゃんがおねだりの表情をしていて。「二年生になっても、後輩が出来ても、姫芽ちゃんと遊びたい」小鈴ちゃんが先輩チャレンジを楽しみにしているのは、毎日の様子からすごく伝わってきて。でも、先輩になるっていうのは、一年生みたいに大好きな同級生と人目をはばからずたわむれちゃダメ、というわけじゃない。「アタシは小鈴ちゃんと何年たっても、こうしていたいな」ゲームもスクールアイドルも、時間が対人戦の関係を変えてしまうとしたら、せめて小鈴ちゃんとの恋人関係だけは、いつまでも輝かせたい。今度は全身で、小鈴ちゃんの上に乗ってぎゅ~。胸の中で、小さないちばん星が熱くなっていくのが分かった。Page 7 (asset #25574548, end):もう一度顔を見た時には、真っ赤に笑っていて。「これからもよろしくね、姫芽ちゃん」アタシは胸の上にちょこんと口づけして、答えのサインを出した。 0 Reply Copy ID Copy Link